【6月22日 AFP】南米ペルーの観光名所、古代インカ(Inca)帝国の城塞(じょうさい)都市マチュピチュ(Machu Picchu)遺跡は、新型コロナウイルスに対する懸念から、当初7月に予定されていた観光客受け入れ再開を見送ることになった。現地メディアが21日、伝えた。

 マチュピチュの管理団体UGMは、同遺跡が位置するクスコ(Cusco)県当局の報告に基づき、観光客受け入れ再開の見送りを決定した。

 観光客受け入れ再開の正式な日程は未定。マチュピチュ地区の区長でUGMのメンバーでもあるダーウィン・バカ(Darwin Baca)氏は記者団に対し、同地区では検査をはじめとする一連の対策がまだ整っていないと説明した。

 マチュピチュの各組合は、観光客の受け入れを再開すれば、感染者数が急増するとして、15日から抗議運動を展開していた。

 クスコ県のジャンポール・ベナベンテ(Jean Paul Benavente)知事によると、7月に予定されていた観光客受け入れ再開は、3月16日から実施されている全土の外出制限解除に合わせたものだった。

 ペルー国内の空港は現在も閉鎖されており、多くの店舗が休業している。しかし、中南米でも早期に特に厳しい対策に踏み切ったにもかかわらず、ペルーの新型ウイルス感染者は中南米で2番目に多い25万人となっており、死者は8000人に迫っている。(c)AFP