【6月21日 AFP】トルコは20日、リビアの停戦合意が達成されるには、ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官率いる有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」が同国北部の要衝シルト(Sirte)から撤退する必要があるとの見解を示した。また、ハフタル氏に対するフランスの支援が北大西洋条約機構(NATO)の安全保障を「脅かしている」と非難した。

 リビアでは長年独裁体制を敷いたムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が2011年に反体制デモで失脚し殺害されて以来、内戦状態が続いている。トルコ政府はこの内戦で、国連(UN)が承認した首都トリポリを拠点とするリビア暫定政権「国民統一政府(GNA)」を支援している。旧カダフィ政権の軍司令官で、エジプトとアラブ首長国連邦(UAE)の支援を受けるハフタル氏は、昨年からトリポリ攻略を目指して攻勢をかけている。

 トルコ大統領府のイブラヒム・カルン(Ibrahim Kalin)報道官は、2015年にモロッコで達した政治的合意に言及し、内戦の全当事者が15年当時の拠点に戻れば停戦が可能であるとの見方を示した。この場合、ハフタル氏率いるLNAはシルトとアルジャフラ(Al-Jufra)から撤退することになる。

 トルコが支援するGNAの軍は今月リビア北西部全体を奪還したものの、東部の主要油田への玄関口である港湾都市シルトへの進軍は依然阻止されている。

 またカルン報道官は、フランスがハフタル氏を支援することでNATOの安全保障を「脅かしている」と非難した。フランスはハフタル氏が最近劣勢になるまで長期にわたって肩入れしていたとみられており、トルコとの間で緊張が高まっている。(c)AFP/Fulya OZERKAN and Ezzedine SAID