【6月21日 AFP】ジョン・ボルトン(John Bolton)前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を堕落しており無能だと評した暴露本について、米連邦裁判所は20日、出版差し止めを求めていたトランプ政権の訴えを認めない判断を下した。

 ボルトン氏の著書「The Room Where It Happened: A White House Memoir(仮訳:それが起きた部屋 ホワイトハウス回想録)」は、23日の発売に向けすでに各地へ出荷されており、トランプ氏を厳しく非難した著書の内容の多くは、すでに多くのメディアで報じられている。

 ワシントン地区連邦地裁のロイス・ランバース(Royce Lamberth)判事は、出版差し止め命令を出すには遅過ぎると述べた。

 一方で同判事は、ボルトン氏は自身の暴露本に機密情報が含まれていないと認める文書をホワイトハウスから得ていないとみられると指摘。問題の書籍のうち政権が機密情報を含むと主張した部分を検討した結果、ボルトン氏は「出版を通じて国家安全保障を危険にさらす恐れがある」とした上で、ボルトン氏の一方的な行為は国家安全保障上の重大な懸念を引き起こすが、政権は出版差し止めがその懸念に対する適切な措置であると立証していないと述べた。

 訴えが認められなかったトランプ氏はツイッター(Twitter)に、「ボルトンは法を破り、そのために呼び出されて激しく非難された。大きな対価を払うことになる」と投稿した。(c)AFP/Daniel WOOLLS