【6月19日 AFP】早朝の鳴き声がうるさくて眠れないと裁判所に訴えられ、一躍フランス国民の注目の的となったおんどりの「モーリス(Maurice)」が死んでいたことが分かった。飼い主が18日、明らかにした。最終的にモーリスと飼い主の勝利で終わったこの裁判は、ずっとその土地に住み続ける地元住民と、都会からやって来た住民との対立を浮き彫りにするものだとして、世界中の注目を集めた。

 訴えは、定年後に風光明媚(めいび)なフランス西部沖のオレロン(Oleron)島の別荘に移り住んだ夫妻が起こした。しかし、裁判所は原告の訴えを退け、モーリスは誰にも邪魔されずに朝鳴くことを許されることとなった。

 飼い主のコリンヌ・フソー(Corinne Fesseau)さんによると、6歳だったモーリスは5月初め、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中に呼吸器感染症で死んだ。フソーさんは新型コロナの影響を考慮し、これまで公表を控えていたという。

 モーリスはフソーさんの家の庭に埋葬された。フソーさんは「モーリスは田舎で暮らす人々の誇りであり、シンボルであり、そしてヒーローだった」と語った。(c)AFP