【6月19日 AFP】米交流サイト(SNS)大手フェイスブック(Facebook)は18日、今年の米大統領選で再選を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の陣営が同サイトに掲載した広告について、ナチス・ドイツ(Nazi)が政治犯に対して使った赤い逆三角形のシンボルを使用したことを理由に取り下げたと発表した。

 トランプ陣営は、「危険な極左グループ」を批判する広告でこのシンボルを使用。フェイスブックは、この広告が「組織的な憎悪」を禁じる同社の方針に違反していたことから、サイトから取り下げたと説明している。

 同社サイバーセキュリティー対策部門の責任者ナサニエル・グライシャー(Nathaniel Gleicher)氏は18日、下院公聴会での証言で、「憎悪に満ちた組織やイデオロギーを表すシンボルは、文脈や非難と合わせて掲示されたものでない限り容認しない」と表明。「私たちはこの広告がそれに当たると考えた。このシンボルがどこで使われても同様の対応をするだろう」と断言した。

 SNS各社は最近、コンテンツの許可や禁止の基準をめぐり政治家との間で激しい論争を繰り広げており、フェイスブックは政治的な表現に対する傍観の立場を取ってきたことで批判を浴びていた。

 トランプ陣営はツイッター(Twitter)への投稿で、赤い逆三角形は左派の活動家グループ「アンティファ(Antifa)」を指すものとして「広く使用されている」と主張。メディア監視団体「メディア・マターズ・フォー・アメリカ(Media Matters for America)」はこの投稿に対する返信で、トランプ陣営の主張を真っ向から否定している。(c)AFP