【6月19日 AFP】(更新)米連邦最高裁は18日、幼少期に米国へ連れてこられた「ドリーマー(Dreamers)」と呼ばれる不法移民70万人の救済制度「DACA(ダカ)」を撤回したドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の措置を違法とする判決を下した。移民流入防止に取り組んできたトランプ氏にとって新たな打撃となった。

 トランプ氏は2017年9月、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権の目玉政策だったDACAを撤廃していた。判決は5対4で、リベラル派判事4人にジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官が加わり、DACA撤回が政府の行政手続きで禁じられている「専断的で根拠を欠く」行為に当たると判断した。

 ただ最高裁は、今回の判決が2012年に成立したDACA制度自体の正当性を評価したものではないことを強調。トランプ政権が脆弱(ぜいじゃく)な法的根拠に基づいてDACAの速やかな撤回を試みたことで、公式な政府手続きの規則に違反したと指摘した。

 判決はDACA撤廃の合法な行政手続きがあることを示唆するもので、トランプ政権が望めばこの問題の追求を可能とする余地が残された。

 移民擁護の立場を取る人々やドリーマーたちは判決を歓迎。オバマ氏はツイッター(Twitter)に「8年前の今週、私たちは米国人家族の一員として育った若者たちを国外追放から守った。きょう、私は彼らとその家族、そして私たち全員を思い、喜ばしく思う。私たちは外見が異なり、出身地もさまざまだが、私たちを米国人たらしめるのは共通する理想だ」と投稿した。

 一方のトランプ氏は「最高裁判所から出された、これらの恐ろしく、政治色の強い判決は、誇りを持って自らを共和党員・保守派と呼んでいる人たちの顔面を散弾銃で撃つようなものだ」とツイートし、再選してさらに多くの保守派判事を指名できるように、11月の大統領選で自身に票を投じるよう呼び掛けた。(c)AFP/Charlotte PLANTIVE