【6月18日 AFP】19-20イングランド・プレミアリーグは17日、第28節延期分の試合が行われ、マンチェスター・シティ(Manchester City)は無観客のエティハド・スタジアム(Etihad Stadium)で退場者を出したアーセナル(Arsenal)に3-0で快勝し、リバプール(Liverpool FC)は30年ぶりのリーグ優勝決定をさらに待つことになった。

 両チームの選手は、キックオフ前に全員で膝をついて人種差別への抗議を示した。プレミアリーグは新型コロナウイルスの感染拡大により100日中断。再開後初戦となった同日のアストン・ビラ(Aston Villa)対シェフィールド・ユナイテッド(Sheffield United)でも同様のジェスチャーが行われた。

 試合はシティが一度ペースをつかむと両チームの質の差が露呈し、戦犯となったアーセナルのDFダビド・ルイス(David Luiz)にとっては悪夢のような夜となった。

 ルイスは、前半アディショナルタイムにケビン・デ・ブルイネ(Kevin De Bruyne)のクロスの処理を誤ってラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)に先制点を許すと、後半開始直後にはペナルティーエリア内でリヤド・マフレズ(Riyad Mahrez)を倒して退場となった。

 このPKをデ・ブルイネが決めて追加点を挙げたシティは、アディショナルタイムにはフィル・フォーデン(Phil Foden)が3点目を奪った。

 この結果シティと首位との差は22ポイントとなったため、リバプールは21日に行われるエバートン(Everton)とのマージーサイドダービーで勝利しても優勝を決めることはできない。

 試合前には、シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督の母親を含め、新型コロナウイルスで命を落とした犠牲者への黙とうがささげられた。そして背中の選手名の代わりに「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」と書かれたユニホームを着用した選手は、人種差別に対する抗議への連帯を示すため、センターサークルを囲んで膝をついた。

 アーセナルを指揮するミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督は、3年半にわたってグアルディオラ監督のアシスタントコーチを務めたエティハド・スタジアムへの凱旋(がいせん)試合で大胆な選手起用に打って出た。

 指揮官はルイス、アレクサンドレ・ラカゼット(Alexandre Lacazette)、そして移籍金のクラブ記録を持つニコラ・ペペ(Nicolas Pepe)をベンチスタートとし、メスト・エジル(Mesut Ozil)に至っては一時的な措置で9人のベンチ入りが認められているもののその姿はなかった。

 しかし、グラニト・ジャカ(Granit Xhaka)とパブロ・マリ(Pablo Mari)が相次いで負傷交代し、ルイスを起用せざるを得なくなるなど、アルテタ監督のプランは開始20分で狂わされる結果となった。(c)AFP