【6月17日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でプレーするマーカス・ラシュフォード(Marcus Rashford)の訴えに応じて、英政府は16日、無料の学校給食に関する方針を変更し、夏休み期間中も給食を提供することを決めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が、低所得層に与える影響への懸念が高まる中、自身も貧しい幼少期を過ごした経験を持つラシュフォードは、給食プログラムの期間延長を求める取り組みを情熱的に続けてきた。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相率いる与党保守党は当初政策の変更に難色を示していたが、ラシュフォードの取り組みが新聞の見出しを席巻し、野党はもちろん、保守党内の議員からも支持の声が出るようになったことで、ついにはジョンソン首相も折れた。

 これにより、国内130万人の子どもが、夏休み中の6週間分のクーポンを追加で受け取れるようになる。ジョンソン首相の報道官は「新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が原因で、子どもとその親がこの夏かつてない状況に直面することを、首相は全面的に理解している」とコメントした。

 政治家や慈善団体、教育関係のトップから幅広い称賛を集めた22歳のラシュフォードは、「弱い立場の親たち」の声を届ける助けになれたことを誇りに思うと話した。

「まだ長い道のりが待っているが、みなさんに感謝したい。これで、苦しい立場にある家族の今夜の心配事が一つだけ減った」

 首相や議員宛てに書簡も送ったラシュフォードは、英紙タイムズ(Times)で、無料給食が子どもにとって大きな意味を持つことは身をもって知っていると話し、「10年前は僕もそうした子の一人だった。空腹のつらさは分かっている」とつづっている。

 野党第一党の労働党が招集した討論会では、話し合いに先立って、政治的主張の違いは脇に置いて取り組みを支援してほしいとラシュフォードは訴えた。

 スコットランド行政府のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)首相もこの日、スコットランドでも給食制度の期間を夏休みまで延長すると発表した。ウェールズもすでに同様の措置を決めている。(c)AFP/Alice RITCHIE