【6月17日 AFP】米司法省は16日、カリフォルニア州オークランド(Oakland)で行われた「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のデモの最中に警察官1人を射殺したとして、同州の空軍軍曹を起訴したと発表した。スティーブン・カリージョ(Steven Carrillo)被告はここ数週間で警察官2人を殺害したとされている。

 これによるとカリージョ被告は5月29日、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で手錠を掛けられた黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官の拘束下で死亡した事件を受け行われていたデモの最中に、走行中の白いバンからオークランドの警察官パトリック・アンダーウッド(Patrick Underwood)氏を銃で撃って殺した。

 その8日後の今月6日、カリージョ被告の車がサンタクルーズ(Santa Cruz)の南方で発見され、警官らが付近にある同被告の自宅に向かったが、待ち伏せしていた同被告に撃たれ、デイモン・ガットウィラー(Damon Gutzwiller)氏が死亡した。

 その後、同被告は車を盗み逃走しようとしたが逮捕された。

 当局によるとカリージョ被告は、反政府的な過激派で市民と人種間の内戦を掲げる極右運動「ブーガルー(Boogaloo)」に関与しているとみられる。同運動の支持者らはおおっぴらに武装し、軍服のようなものを着ていることが多い。

 地元メディアによると、カリージョ被告は逮捕された際、車内や自宅に武器、銃弾、爆発物の原料を所持していた。また、車のボンネットには同被告の血で「boog」と書かれていたという。

 デービッド・アンダーソン(David Anderson)連邦検事は16日にオークランドで行われた記者会見で、「ブーガルーは、米国内における武力蜂起または来たるべき内戦を表す言葉として過激派らによって使われている」と述べた。

 フロイドさんの死亡事件をきっかけに全米に広がっている反人種差別デモに関連し、極右過激派が逮捕されるのは今回で2件目となる。(c)AFP