【6月17日 AFP】北極圏地域を専門とするロシア人科学者が中国へ国家機密を提供したとして、反逆罪で起訴されていたことが分かった。この学者の弁護人が15日、明らかにした。

 弁護人イワン・パブロフ(Ivan Pavlov)氏によると、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)の北極科学アカデミー(Arctic Academy of Sciences)の会長であるバレリー・ミトコ(Valery Mitko)被告(78)が2月に起訴されて以来、自宅で軟禁下にあるという。ただ、同被告が拘束された事実は最近明らかになった。

 パブロフ氏によると、連邦保安局(FSB)は、被告が講演のために中国を頻繁に訪れ、その際に機密情報を中国政府に渡していたと疑っている。

 また、ミトコ被告が10月までの自宅軟禁命令を受けているという。

 もし被告が反逆罪で有罪となれば、禁錮20年の刑を言い渡される可能性がある。

 被告は無罪を主張しており、パブロフ氏は、被告が中国に持ち込んだ書類は自身の研究と講演に関する文書で、捜査当局は被告が中国に渡したとされる情報について詳細を明らかにしていないと話している。

 国営タス通信(TASS)と民営のインタファクス(Interfax)通信が情報筋の話として報じたところによると、被告が渡したとされる情報は潜水艦の探知についてのものだったという。(c)AFP