【6月16日 AFP】女子テニス、元世界ランク1位のヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)が、1994年に米カリフォルニア州オークランド(Oakland)のテニスコートでプロデビューを果たしたとき、近隣のスタジアムでは英ロックバンドのザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)がコンサートを行っていた。

 それから26年が経過しても、ストーンズのミック・ジャガー(Mick Jagger)氏やキース・リチャーズ(Keith Richards)氏のごとく、ヴィーナスにはツアーから徐々に姿を消す気配はまるでない。

 米女子テニスにおける先駆者的存在であるヴィーナスは、新型コロナウイルスの危機でツアーが中断され今季の日程が大幅に縮小している中、17日に40歳の誕生日を迎える。しかしながら、通算7度の四大大会(グランドスラム)制覇をはじめ、計4個の五輪金メダル獲得や数々のツアー優勝を果たしたキャリアから、静かに退いていくつもりはないと話している。

 時が経過し、WTAツアーで最後に獲得したシングルスのタイトルが2016年の台湾オープン(Taiwan Open 2016)と最近は成績が振るわないにもかかわらず、まだラケットを置く気はないヴィーナスは先日、テニス専門ウェブサイトのテニスメジャーズ(Tennis Majors)で、「夢は常に抱き続けなければならないし、だからこそ私は夢を持ち続けている」と語った。

 さらに、グランドスラムではまだ優勝のない全仏オープンテニス(French Open)と全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)に挑戦する意思を示し、「ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で優勝したい。これまで惜しいところまでいっていた。全豪オープンもそう。残念ながら、いつもあと少しでタイトルを逃していた」と話した。

 それでも、グランドスラムと五輪を全制覇する「ゴールデンスラム」を成し遂げる夢は、依然として手が届きそうもないとみられている。妹のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)がグランドスラム制覇の常連である一方で、ヴィーナスが最後にメジャー大会を制したのは、12年前の2008年に行われたウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)となっている。

 ヴィーナスは時が刻一刻と過ぎていることを自覚しており、「これまでのように長くプレーするのは無理」とすると、「これからの気持ち次第。まだたくさん勝利を積み重ねていきたいけれど、終わりがきたらそれでおしまい」と語った。(c)AFP