【6月15日 AFP】アフガニスタン当局は14日、ここ5年間ポリオの感染がなかった地域において再び感染が確認されたと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、アフガニスタンでは定期的に行われていた予防接種が中断している。

 アフガニスタンのポリオ撲滅プログラムの広報担当によると、ポリオ患者がここ5年間いなかったバルフ(Balkh)州、ヘラート(Herat)州、バダフシャン(Badakhshan)州の3州で、1人ずつ患者が確認された。

 アフガニスタン全土で今年これまでに確認されたポリオ患者は14人で、2019年の26人よりは少ないものの、3州での感染発覚により懸念が高まっている。ポリオは基本的に同国南部および南東部で発生していたが、新型コロナによってポリオが国内全域に広まる恐れが出ている。

 現在でも野生株のポリオウイルスの感染拡大が続いているのはパキスタンとアフガニスタンのみだが、ワクチンによって変質したポリオウイルスはアフリカで感染拡大を引き起こしている。

 アフガニスタンでは例年、最大10回のポリオの予防接種運動が行われているが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大前に行われた2回のみだ。

 旧支配勢力タリバン(Taliban)や宗教指導者らは、ワクチンがイスラム教徒の子どもたちを不妊にする西側諸国の陰謀で、予防接種運動はスパイ活動として行われていると主張している。

 アフガニスタンではこれまでに新型コロナウイルス感染症の患者が2万4500人以上確認されており、死者は471人に上っている。(c)AFP