【6月15日 CNS】中国・北京市ではこの数日、数十人の新型コロナウイルス感染者が相次いで発見された。50日以上連続で感染者ゼロを続けていた北京だったが、市民は再び精神的に緊張を強いられている。

■地元由来の感染が突然増加、ウイルス警報が再び鳴る

 国家衛生健康委が発表したデータによると、13日に中国国内で新たに報告された確定感染者は57人、その内、中国由来の感染者は38人、その中の36人は北京だ。この他、14日午前0時から7時までの間に、北京でさらに8人の感染が確認された。

 13日午前、北京市は「新発地農産品卸売市場」で働く従業員とその周辺の市民全員に対して、核酸検査を行い、医学的観察措置を採ることを決定。

 同市場が位置する豊台区(Fengtai)花郷地区の感染症リスク等級は高リスク地区へと引き上げられ、同時にその周辺の、豊台区太平橋街道、盧溝橋街道、西城区月壇街道なども中リスク地区へと引き上げられた。

■「ウイルスは欧州から来た?」一連の疑問、待たれる解答

 北京における今回の感染者の発生は「新発地農産品市場」に集中しており、市場のサーモン加工用のまな板から新型コロナウイルスが検出され、一連の疑問が投げかけられている。

 市場のウイルスはどこから来たのか?魚類はウイルスの宿主となるのか?ウイルスは海外から輸入商品に付いてきたのか?

 北京市疾病対策センターの新型コロナウイルス専門家である楊鵬(Yang Peng)氏によると、北京新発地市場のウイルスの発生源はまだ調査中という。ゲノム配列解析により、ウイルスは欧州方面から来たものと分かっており、海外より流入したものと思われるが、その流入経路についてはまだ不明だとしている。海産物あるいは肉類に付着して入ってきたのか、あるいは市場に出入りする人の分泌物を介して広がったのかもしれないという。

 調査結果が出るまでは、肉類、海産物、青果物などの検疫を強化し、市場の管理監督を規範化することが、この市場が現在なすべき仕事となる。

 中国疾病対策センターの呉尊友(Wu Zunyou)主席専門家によると、「卸売市場では多くの海産品は冷凍貯蔵されているが、かような環境の下では、ウイルスは長期間生存が可能だ。ヒトへ感染する確率も高い。また、農産品卸売市場では、毎日大量の関係者が出入りし、1人でもウイルスの感染者が発見されずに市場に入ってしまったら、感染は拡大してしまう」と警告する。(c)CNS/JCM/AFPBB News