【6月14日 AFP】スーパーラグビーに代わるニュージーランドの国内大会「スーパーラグビー・アオテアロア(Super Rugby Aotearoa)」が13日のオタゴ・ハイランダーズ(Otago Highlanders)対ワイカト・チーフス(Waikato Chiefs)戦で開幕し、スタジアムへ集まった2万人以上のファンが熱い戦いに視線を送った。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による中断から再開した中では特に知名度が高く、また観客の入場制限を設けない数少ない試合でもあった一戦は、期待にたがわない好ゲームとなり、ハイランダーズがブライン・ガトランド(Bryn Gatland)の終了間際のドロップゴールで28-27の接戦を制した。

 ハイランダーズはその1分前にこちらもドロップゴールで逆転されていたが、ガトランドが79分に決勝点をねじ込み、昨年までウェールズ代表指揮官を務めた父親ウォーレン・ガトランド(Warren Gatland)ヘッドコーチ(HC)が率いるチーフスの勝利を阻んだ。

 ニュージーランドは6日前に集会の制限を解除して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う規制からほぼ解放されており、フォーサイス・バー・スタジアム(Forsyth Barr Stadium)はお祭りムードに包まれた。

 ファンがくぐる入場ゲートには、マスク姿の観客の姿も消毒剤もなく、またスタンドには、他国の無観客試合で客席を埋めるのに使われている段ボールの切り抜きもなかった。

 ある男性ファンは「感染のことはあまり心配していない」とコメント。別の女性ファンは、ロックダウン(都市封鎖)がもっと長引くことを心配していたが、「そうならなくてうれしい。誰もマスクを着けていないのは良いこと」と話した。

 南アフリカのテレビ局のキャスターはツイッター(Twitter)に「スタジアムに観客を入れた生のラグビーをこれほど早く見られるとは思っていなかった。とてもうれしい。きっと今、世界中のラグビーファンが同じことを感じているはずだ」と投稿した。

 ニュージーランドはこれまでに新型ウイルスで1154人の感染者、22人の死者を出しているが、このところは22日連続で新規感染ゼロが続いている。(c)AFP/Marty Melville