【6月13日 AFP】(更新)中国・北京で13日、新型コロナウイルスの感染者が新たに6人報告され、複数の地区が封鎖下に置かれるなど、地域内感染の再発生への懸念が高まっている。

 記者会見した市当局者によると、感染者のほとんどは北京南部の食肉卸売市場、新発地(Xinfadi)市場に関連しており、近隣の豊台(Fengtai)区では住宅団地11か所の住民が外出を禁じられた。

 北京では11日、ここ2か月で初めてとなる新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表された。この感染者は新発地市場を先週訪れていたが、最近市外に移動したことはないという。

 13日に発表された新たな感染者6人のうち、3人は新発地市場で働いており、1人は来場者、残りの2人は7キロ離れた中国肉類食品総合研究センター(CMRC)の職員。感染した職員のうち1人は先週、新発地市場を訪れていたという。

 当局はこの市場とともに、同じく豊台区にあり、感染者の一人が訪れていた京深(Jingshen)海鮮市場も消毒と検体採取のため12日に閉鎖した。現地のAFP記者は、数百人の警察官と数十人の武装警察官が2つの市場にいるのを確認した。京深海鮮市場では作業員らが海産物の箱を運び出していた。

 豊台区の当局者は13日、「戦時体制」を敷き、「野戦司令部」を設置したと発表した。近隣の学校と幼稚園の計9か所も閉鎖された。

 北京市当局は、市内各地の農産物市場と大型スーパーマーケットで採取した5000を超える環境検体を12日に検査したところ、40検体が新型コロナウイルス陽性となり、そのすべてが新発地市場のものだったことから、5月30日以降に新発地市場と「密接な接触」があった人の大規模な検査を実施することも発表した。

 当局によると、北京市内の卸売市場の従業員約2000人も12日に新型コロナウイルスの検査を受けた。すでに検査を終えた人のうち46人が喉から綿棒で採取した検体の検査で新型コロナウイルス陽性となった。このうち1人を除いた全員は新発地市場の従業員。残る1人は北京市北西部の海淀(Haidian)区にある農産物市場の従業員で、新発地市場に関連する感染者の濃厚接触者だという。46人はいずれも無症状で、現在は厳しい医学的観察下に置かれている。(c)AFP