【6月13日 AFP】経済危機が悪化しているレバノンで12日、政府の対応をめぐり2夜連続となる抗議デモが各地で行われた。政府は同日、米ドルを市場に投入することで下落した通貨の補強を行うと約束したばかりだった。

 治安部隊は、デモ隊を解散させるため催涙弾を発射。若者の一部はこれに対し、石や爆竹を投げて応酬した。

 同国のミシェル・アウン(Michel Aoun)大統領は12日、緊急会議の後、中央銀行が15日からレバノン・ポンドを支援するため「米ドルを市場に投入する」などの措置を導入すると発表。

 地元メディアの報道によると、闇市場での対ドル取引レートは12日朝、1997年以降の公式固定水準である1507ポンドから6000ポンドに急落した。

 1975〜90年の内戦以来で最悪の経済危機に見舞われている同国では、11日夜に抗議デモが発生。デモ隊は、物価の高騰や、経済危機に政府が十分に対処していないと非難の声を上げている。(c)AFP/Tony Gamal-Gabriel