【6月13日 AFP】世界保健機関(WHO)は12日、授乳中に新型コロナウイルスに感染した女性について、原則として母乳育児を継続し、子どもから引き離すべきではないとの見解を表明した。母乳育児のメリットはリスクを上回ると強調している。

 テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はインターネットを通じて行った記者会見で、母乳を通じた新型ウイルスの母子感染の危険性についてWHOは徹底的な調査を行ったと説明。

「子どもは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクが比較的低い一方、母乳により予防できるその他の多数の疾患や症状のリスクが高いことが分かっている」と指摘し、「WHOは入手可能な証拠に基づき、母乳の利益はCOVID-19伝染の潜在的リスクを上回ると勧告する」と述べた。

 WHOで生殖に関する健康・研究部門を担当するアンシュ・バナルジー(Anshu Banerjee)氏によると、活性化した新型コロナウイルスが母乳から検出された事例は今のところない。テドロス氏は「COVID-19の疑いがある、あるいは感染が確認された母親は、容体が非常に悪い場合を除き、乳児から引き離すことなく母乳育児を開始・継続することが奨励されるべきだ」と言明した。(c)AFP