【6月12日 AFP】(更新)米ビデオ会議サービス「ズーム(Zoom)」は11日夜、中国の天安門(Tiananmen)事件に関するビデオ会議を閉鎖し参加していた米国や香港の人権活動家らのアカウントを停止したことについて、中国政府からの要求に応じた措置だったと明らかにした。

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 米カリフォルニア州を拠点とするズームは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて人気が急上昇している。だが、天安門事件を追悼するオンライン討論会を主催する米国と香港の活動家らのアカウントが停止され、言論の自由をめぐって懸念が高まっている。

 ズームの声明によると、1989年6月4日に中国が学生らの民主化運動を武力鎮圧した天安門事件を追悼する4つのビデオ会議について、「中国政府が、中国国内で違法とされている活動だと通告してきた。会議の閉鎖と主催アカウントの停止を要求された」という。

 これらのビデオ会議には中国本土在住のユーザーも参加していたが、「特定の参加者を会議から除外したり、特定の国からの会議参加を阻止したり」する機能は現在ズームには備わっていないため、「ビデオ会議4つのうち3つを閉鎖し、それらに関与していた主催者アカウントを停止する決断に至った」と説明している。

 ズームはこの対応について、「不十分だった」と釈明。「中国本土以外のユーザーに影響を与えるべきではなかった」と述べた。停止された3アカウントは復活しており、今後は特定の国からの参加者をブロック・排除できるツールを開発するとしている。(c)AFP