【6月12日 AFP】(更新)米西部ワシントン州シアトル(Seattle)でデモ隊が「自治区」を設置したことをめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が介入を示唆したことに対し、民主党のジェイ・インズリー(Jay Inslee)同州知事とシアトルのジェニー・ダーカン(Jenny Durkan)市長は11日、ツイッター(Twitter)で応酬した。

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「キャピトルヒル自治区(Capital Hill Autonomous Zone)」は先週、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で警官が黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんを死亡させた事件へ抗議するデモ参加者によってシアトル市内に設置されたもので、シアトル警察も設置に合意している。

 トランプ氏はツイッターで10日夜、「自分たちの街を取り戻せ。今すぐだ。やらないなら私がやる」とインズリー、ダーカン両氏に警告するとともに、デモ隊はシアトルを乗っ取っている「国内テロリスト」だとも書き込んだ。

 さらに別のツイートで、「これはゲームじゃない。醜い無政府主義者をストゥープ(ストップのスペルミス)しなければならない。至急だ。早くしろ」と強調した。

 ダーカン氏は、「ホワイトハウス(White House)の地下壕(ごう)に引っ込んでて」とツイート。一方、インズリー氏は「統治能力が全くないのだから、ワシントン州のことは関わらないほうがいい。ツイートを『ストゥープ』しろ」と書いた。

「ホワイトハウスの地下壕」は、先月末にフロイドさんの死をきっかけに発生した人種差別と警察による暴力に抗議するデモ隊がホワイトハウスに迫った際、トランプ氏が大統領警護隊(シークレットサービス、USSS)に付き添われてホワイトハウス地下にある大統領危機管理センターに退避したとの報道を指すものだ

 トランプ氏はこれらのツイートを受け11日にも両者を激しく非難している。

 自治区設置の背後には極左がいるとの報道もあるが、シアトル当局はこれを否定している。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、自治区設置は「警察なしの生活を試す実験で、ストリートフェスティバルでもあり、コミューン形成の意味もある」と伝えている。(c)AFP