【6月12日 AFP】米労働省が11日発表した統計によると、新型コロナウイルスの感染拡大により職を失った人の数は計4420万人に達した。米国では各種事業が再開に向け準備を進めているものの、同ウイルスの感染拡大が収束する兆しもほとんどみられず、アナリストらは世界最大の経済大国への打撃が今後も続くとみている。

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 労働省が発表した6月6日までの1週間の新規失業保険申請件数は154万件だった。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために事業が閉鎖された3月半ば以降、レイオフ件数は毎週、高水準の状態が続いている。

 新規失業保険申請数は先月ピークに達し、その後は減少に転じているが、11日発表の同申請件数は、2008年の世界金融危機のさなかに見られた水準のどれをも大幅に上回る。

 米調査会社ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(High Frequency Economics)のルビーラ・ファルキ(Rubeela Farooqi)氏は発表された統計について、米経済が正常に戻っていないことを明確に示していると指摘。「各州は封鎖措置を緩和し事業再開の動きがみられるものの、経済活動は引き続き制限され抑制されている。このため今後数週間にわたりレイオフが続きそうだ」と述べた。

 米国では新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が依然として約2万人と、感染者数が減る兆しはほとんどみられていない。テキサスやノースカロライナなど、州によってはウイルスによる入院患者数が前月比で増加しているところもあり、米国ではウイルスの脅威への対処が難しいままとなっている。(c)AFP/Chris Stein