【6月11日 AFP】今年の国連(UN)総会は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、史上初めて、事前に収録した映像を利用したビデオ会議形式での開催となることが明らかになった。総会議長のティジャニ・ムハンマドバンデ(Tijjani Muhammad-Bande)氏が10日、発表した。

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 ナイジェリア出身のムハンマドバンデ氏が加盟各国に宛てた書簡によると、総会は当初の予定通り9月22~29日に開催されるものの、各国指導者の演説は事前に収録した映像を流す形となる。

 ムハンマドバンデ氏は書簡で「新型コロナウイルスのパンデミックを受け、2020年9月にも依然として国外渡航や対面での大規模な会議の開催にさまざまな制限が残っている可能性がある」との見解を表明。加盟各国に、総会開始日の少なくとも5日前までに、大統領、首相、政府閣僚、国連大使のいずれかによる15分以内の演説を国連に送付するよう求めた。

 演説内容は当日まで非公開とされ、国選総会の議場に入れるのは各国代表団の1人のみになる。議場では演説の映像が映し出されるか演説が壇上で読み上げられるという。

 アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は先月、世界的な公衆衛生の危機により、各国指導者が予定通り9月に総会に参加する可能性は低いとの見解を示していた。(c)AFP