【6月10日 AFP】(図解追加)中国国営メディアは9日、センザンコウの体の一部が伝統薬の公式リストから除外されたと報じた。中国は数日前にも、絶滅の危機にひんするセンザンコウの法的保護を強化していた。

 健康時報(Health Times)によると、センザンコウのほか、コウモリのふんを調合した錠剤などが中国薬局方の今年の公式リストから除外されたという。

 世界で最も多く取引される哺乳類であるセンザンコウについて専門家の一部は、昨年中国・武漢(Wuhan)市の市場で発生した新型コロナウイルスの宿主になった可能性があると指摘している。

 センザンコウの体の一部は伝統薬に一般的に使用されており、高値で闇取引されている。ただし科学者らによると、治癒的価値はないという。

 これに先立ち中国の国家林業・草原局は5日、希少なセンザンコウの保護レベルを最高レベルに引き上げた。

 健康時報は「減少した自然資源」が薬局方から除外されたと報じたが、センザンコウ除外の正確な理由は明らかになっていない。

 中国はここ数か月間で、ヒトへの感染リスクを踏まえて食用目的での野生動物の取引を禁止した。一方で研究や伝統薬製造などの目的での取引は、合法のままとなっている。(c)AFP