【6月17日 CNS】先日、中国各地の大学に学生たちが戻ってきた。今年卒業する学生にとって、この1年が忘れがたい1年になることは間違いない。

 新型コロナウイルスの影響がまだ完全に消えていない中で、学生たちは学校を離れ、社会に向かって新しい歩みを踏み出していく。この特殊な時期に、国レベルから地方に至るまで、一連の対策と補助金制度が準備され、卒業生がこのシーズンを順調に乗り越えるよう心配りされている。

■寮費は返金!

 多くの卒業生は、新型コロナのために何か月も空けていた寮に戻って来て、幾らも住むこともなく、また離れようとしている。この問題について、多くの地方で明確な挽回策が示された。返金対応だ。

 河南省(Henan)が公表した「感染症対策期間中の学校の費用徴収に関する通知」によると、学校は実際に利用した原則に基づき寮費を計算し、1学年は10か月(1学期あたり5か月)として計算、学期末に精算し、余った部分は一律学生に返金することとした。寮で住んだ期間が1か月に満たない場合、15日以下は半月と見なし、15日以上は1か月として計算するとしている。

 先日、山東師範大学(Shandong Normal University)、済南大学(University of Jinan)などを含む山東省(Shandong)の多くの大学でも寮費返金規定を発表している。

■起業や職業訓練を受ける場合は補助金も

 新卒者にとって、就職はこのシーズンで最大のイベントだ。今年は特殊な状況の中で、各地で新卒者の就職や起業へのさまざまな支援に力を入れている。

 今年の4月には、江西省(Jiangxi)で職業訓練補助に関する対策が打ち出された。

 条件を満足する大学新卒者が職業技能訓練、企業の職員技能研修、大卒者基本成長プログラム研修などに参加し、職業資格証書(あるいは職業技能等級証書、専門職業能力証書、検収合格証など)を取得した場合、職業訓練補助金を支給する、としている。

 職業訓練補助金の支給金額は、訓練の職種、技術等級、訓練期間などにより異なり、1人あたり500元(約7600円)~6000元(約9万1400円)の範囲だ。

 起業を予定する新卒者に対しても、各地で相次ぎ補助金制度が打ち出された。

 河北省(Hebei)の就職指導チームが少し前に発表した「2020年度大学新卒者が起業する場合の措置」によると、卒業する年あるいは卒業後5年以内に初めて起業をするものに対し、5000元(約7万6000円)の一時的起業補助金を支給する、としている。この他、卒業してから5年以内の大学卒業生が初めて起業をする場合、3年を超えない範囲で、社会保険料を補塡(ほてん)するとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News