【3月8日 CNS】中国の2020年度の大学卒業生は874万人で、史上最多記録を再び更新する見通しだ。過去の卒業生で未就業の人を加えると、就職の門戸はさらに狭まることになる。そして、今年はオンラインによる就職活動が増えるとみられる。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国・人力資源社会保障部は2月上旬に通達を出し、各地区の公営機関で緊急に公開募集が必要なものについては、なるべく電話、動画、インターネットなどの非接触型の方法により対応するよう求めている。オンラインによる募集に注力し、遠隔操作による面接を推進し、雇用者と労働者の「点対点」の直接対話の頻度を高めるとしている。

 中国・教育部は28日、「『24365』全天候型インターネット人材募集サービス」を正式に始動した。毎日24時間、年間365日無休で、面接不要な人材募集を行い、雇用契約と認定もできるとしている。少し前に、教育部はすでにオンライン就職サービスを強化する措置を講じ、各地の学校がネット上で面接や契約、就職手続きを進めるよう後押ししている。

 北京、湖南省(Hunan)、河北省(Hebei)などでも相次いで通達がなされ、各大学でオンラインでの人材募集活動を進めるよう求めている。

■オンライン面接は本当に確実か?

 オンラインの面接で本当に採用を決められるのか、不安に感じる学生もいる。実際には、オフラインの最終面接が後で行われ、そこで初めて確定となるのではないかと心配に感じるのだ。

 一方、一部の学生はすでにオンライン面接により就職を確定している。「ウイルスとの闘いの中で、オンライン面接を初体験してみたら、早速『蘇寧易購(Suning)』から内定をもらった」と話すネットユーザーもいる。

 人的資源関連サービスの大手「天坤集団(Tking)」の王雲雷(Wang Yunlei)董事長によると「実際には、ネットデータを使った略歴のマッチングや画像システムによる遠隔面接は、すでにかなり成熟した方法」との見解を示す。

 例えば、IT企業の「字節跳動(ByteDance)」は先ごろ、春季の大学卒業生の募集においては6000人を超える正規従業員と実習生を雇用すると発表した。応募者はオンラインで履歴書を提出し、オンライン就職説明会、オンライン面接、遠隔操作による入社手続きなどを通して同社の一員になることができ、事務用品などは郵送で従業員の居住地に送り届けられるとしている。

 中国教育科学研究院の儲朝暉(Chu Zhaohui)研究員によると「ウイルスとの闘いの中で『オンライン人材募集』を行うことは、早くて便利な方法だが、職種によって人材に対する要求は異なるので、オフラインでの面接がまだ必要であり、『オンライン募集』はあくまで将来の発展の方向性であって、時期尚早だろう」と言う。(c)CNS/JCM/AFPBB News