【6月9日 AFP】フランスは8日、警察が容疑者の首を圧迫して拘束する「チョークホールド」を禁止する方針を発表した。米国でジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡した事件を受けて、フランスでも警察の行為に対する怒りが高まっている。

 フロイドさんの死後、人種差別に抗議するデモが世界各地に波及している。フランスでは2016年に警察に逮捕された直後に死亡した黒人男性アダマ・トラオレ(Adama Traore)さん(当時24)の事件に注目が集まり、警察内の人種差別と暴力行為をめぐる議論が再燃した。

 フランスの警察監視団体によると、昨年警官に対する苦情が約1500件寄せられ、その半数は暴力を訴えるものだったという。

 連日の抗議デモを受けて、クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相は記者会見でチョークホールドを「禁止する」と表明。「警察学校や憲兵学校でチョークホールドのやり方が教えられることはもうない。方法そのものが危険だ」と述べた。

 さらに、警察組織における人種差別を「一切容認しない」方針を導入し、人種差別をした疑いが強い警官は停職処分になると話した。

 カスタネール内相は、ここ数週間で警官による人種差別や差別的発言が報告されたことを受けて、あまりに多くの警官が「共和国の一員としての義務を怠っている」と指摘。「それを非難するだけでは十分でない」「われわれはそのような行為を追跡し、闘わなければならない」と述べた。(c)AFP/Mariëtte Le Roux