【6月9日 AFP】米国サッカー連盟(USSF)は8日、国歌演奏時の膝つきを禁止する規則の撤廃を検討していると明らかにした。USSFのシンディ・パーロー・コーン(Cindy Parlow Cone)会長がこの方針に関して、9日に開かれる予定の理事会で協議することを呼び掛けたと米スポーツ専門チャンネルESPNの電子版で伝えられた後、連盟の広報担当者は規則の破棄を検討していると認めた。

 米サッカーでは選手たちに対し、国歌演奏時には「敬意を表して起立する」ことが義務付けられている。このことが正式に明記された規則が2017年に導入されたのは、女子米代表チームのスター選手であるミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)が、2016年に行われた国際試合の国歌演奏時に膝をつき、同国ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)の元QBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)に連帯を示したことを受けてのものだった。

 キャパニックは2016年8月、非武装の黒人数人が警察と衝突した際に死亡した事件を受けて、人種差別に注意を向けるために膝つき抗議を開始した。

 この抗議スタイルは、先月25日に米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が死亡した事件をきっかけに、全米や世界中に広まっている抗議デモにおいて連帯を示す象徴となっている。

 デモの参加者や警察官が全員一丸となって膝をついている一方で、スポーツ界ではドイツ・ブンデスリーガ1部の試合でもスター選手が同様の行動を見せている。前週にはイングランド・プレミアリーグの強豪リバプール(Liverpool FC)の選手たちが、膝をついている写真をクラブのSNSに投稿した。

 ESPNによると、USSFの理事会が投票で可決すればすぐに規則は撤廃されるものの、来年開かれる連盟の年次総会でも投票が行われる必要があるという。(c)AFP