【6月9日 AFP】世界保健機関(WHO)は8日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の状況は世界的には悪化しており、油断大敵だと警鐘を鳴らした。

 WHOによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が南北米で猛威を振るう中、1日の新規感染者数は7日、過去最多を記録した。

 AFPの集計では、昨年12月に中国で新型ウイルスの流行が始まって以来、感染が確認された人は少なくとも700万人に上り、うち40万3000人超が死亡した。東アジアと欧州に次いで、今では南北米が流行の中心地となっている。

 テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はスイス・ジュネーブでビデオ形式の記者会見を開き、「欧州における状況は改善しているが、世界的には悪化している」「過去10日間のうち9日、新規感染者数が10万人を上回った。昨日は、13万6000件超が報告された。1日としては過去最多だ」と述べた。

 7日に報告された新規感染者の75%は、南北米と南アジアを中心とする10か国から報告されたという。

 テドロス氏は、状況が改善している国における最大の脅威は「油断」だと指摘。世界中のほとんどの人々は今も新型ウイルスに感染しやすい状況にあるとした上で、「パンデミックの発生から6か月が経過しているが、どの国においてもまだ手綱を緩める時ではない」と警鐘を鳴らした。(c)AFP