【6月7日 AFP】カナダ東部ニューブランズウィック(New Brunswick)州エドマンズトン(Edmundston)で、先住民女性のシャンテル・ムーア(Chantel Moore)さん(26)が警察官によって射殺される出来事があり、先住民団体は6日、独立調査を行うよう求めた。

 カナダの先住民を代表する5団体の一つ、先住民会議(CPA)は、「シャンテル・ムーアさんの死亡と、警察活動や司法システムが先住民族に示す、現在も続く組織的な偏見や差別への公開調査」を要求した。

 ムーアさんは4日、健康状態を確認するために親族が呼んだ警察官によって射殺された。

 エドマンズトン警察は、ムーアさんが警官を刃物で脅したと証言。遺族によると、警官がムーアさんを制圧するため計5回発砲したという。

 CPAのロバート・ベルトラン(Robert Bertrand)代表は、「健康状態を確認する際に起きた(ムーアさんの)悲劇的な殺害によって、カナダの先住民族たちが、警察活動や司法システムと関わる際に非常に異なる状況に直面し続けていることが、すべてのカナダ人にありありと示された」と指摘した。

 当局がムーアさんの死亡に関し捜査を立ち上げる中、ファーストネーションズ議会(AFN)のペリー・ベルガルド(Perry Bellegarde)代表は、中立的な第三者による調査を行い、なぜ命に関わる武器が使用されたか、警官の対応に人種が関係していたか解明すべきだと指摘。

「助けを求めているのに、どうして検視官を呼ぶことになるのか? こうしたことは決して起きてはならない」「人種が警察の対応に何らかの影響をもたらしたか、ここまで極端ではない武力が用いられるべきだったのではないか、われわれは解明する必要がある」と訴えた。(c)AFP