【6月7日 AFP】(写真追加)米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で先月25日に黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官に首を膝で押さえつけられて死亡してから2度目の週末を迎えた6日、米首都ワシントンでフロイドさんの死と米国の黒人が直面している不平等に抗議する大規模なデモが行われた。

 世界各地で連帯を示すデモが行われた中、若者から高齢者まで幅広い年齢層のさまざまな肌の色──黒、白、褐色──をした数万人が人種間の平等を訴えた。警察はホワイトハウス(White House)周辺の広い範囲を黒い金属製の柵で封鎖した。

 一部のデモ参加者らは、警察に殺されたフロイドさんやその他の黒人市民の写真をホワイトハウスを囲む高い柵に貼り付けた。

 好天で厳しい暑さとなったが、多くの人が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためマスクを着け、ボランティアらが水などを配った。食べ物や「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のTシャツを売る屋台も出て、ブロックパーティー(交通を遮断した街路で住民らが行う野外パーティー)のような雰囲気もあった。軍がデモを監視し上空をヘリコプターが旋回する中、「これはパーティーじゃないぞ!」と叫ぶデモ参加者もいた。

 国立公園ナショナルモール(National Mall)では警備員らが、米国の公民権運動を率いた故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師が1963年に「私には夢がある」の演説をして米国の人種差別を終わらせる決意を示したリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)の階段からデモ参加者らを閉め出した。

 フロイドさんの死をきっかけに米国で続いている大規模な抗議行動は、1968年にキング牧師が暗殺されて以来最も深刻な公民権をめぐる騒乱になっている。

 6日は、米国の他の都市でも平穏なデモが行われた。ニューヨーク市内各地では、数千人がデモを実施。ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)では、美術館前に大勢の人が集まった。米イリノイ州シカゴでは、当局がデモの便宜を図り、湖畔を走り風景が良いことで知られる高速道路レークショアドライブ(Lake Shore Drive)を通行止めにした。カリフォルニア州ロサンゼルスでもデモが行われた。(c)AFP/Camille CAMDESSUS