【6月5日 AFP】米国自由人権協会(ACLU)などは4日、米ホワイトハウス(White House)前で平和的なデモを行っていた人々を解散させるために、警察にペッパーボール弾(催涙弾の一種)や発煙弾を使わせたとして、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領らを相手取って訴訟を提起した。

 トランプ氏は1日、徒歩でホワイトハウス近くの教会を訪れ、聖書を手に写真撮影に臨んだ。この移動に先立ち、警察がデモ隊を解散させたことで、各地で警察の暴力に対する抗議デモが起き、米国は分断された。

 ACLUなどは、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動の参加者や個人でデモに参加していた人々の憲法上の権利を侵害したとして、トランプ氏と政権幹部を提訴。「警察はデモ隊に対し、組織的かつ理不尽な攻撃を行い、不快な刺激を引き起こす物質やゴム弾、音響兵器を使用した」と主張した。

 ACLUのスコット・マイケルマン(Scott Michelman)氏は、「(大統領が)相手の考えに同意できないという理由でデモ隊を攻撃したことは、率直に言って犯罪であり、米国の憲法秩序の根幹を揺るがすものだ」と語った。(c)AFP