アフリカ出身者らの引き裂かれた「アメリカンドリーム」 米ミネアポリス
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■「奪われた人間性」取り戻すためのデモ
ミネアポリスを抱えるミネソタ州は、住民に対する難民の割合が全米で最も高い。直近の国勢調査によると、同州の人口は全米の2%だが、全難民の13%が住んでいる。
その多数は、アフリカの角であるエチオピアやソマリア出身者だ。彼らの存在がデモ行進で目立つのは、女性らが身にまとう色彩豊かな衣装のためだ。
2007年にソマリアから米国に来た女性のデカ・ジャマ(Deka Jama)さん(24)は、友人らと一緒にベールで顔を隠して、自らの新しい母国で直面した差別に抗議するためデモに参加した。
彼女が親近感を覚えるのは、アフリカ系米国人だ。彼らの多くは奴隷の子孫であり、何世代にもわたる米国市民だ。
そこには「私たちを結びつける何か」があるとジャマさん。「私たちは皆、その文化的な違いを問わず、人間性を奪われている。その人たちのために、ここにいなければならない(デモに参加しなければならない)」
ミネソタ州のソマリア人コミュニティーには、誇りの源となる人がいる。2018年に米下院議員に選出された、ソマリアの首都モガディシオ出身のイルハン・オマル(Ilhan Omar)氏(37)だ。
だがオマル氏自身も人種差別的嫌がらせや殺害の脅迫、中傷の標的にされている。昨年夏、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はオマル氏とその他3人の非白人女性議員に出身国へ「帰る」べきだと主張した。
過去1週間、オマル氏は現状について何度もコメントを求められた。同氏は発言を控えることなく、米国人は警察の暴力行為にとどまらず、この国の不平等という中心的問題に取り組まなければならないと人々に訴えた。