【6月4日 AFP】パキスタンで、7歳の少女をメイドとして雇っていた夫婦が、ペットの鳥を逃したとして少女を拷問して死亡させ、逮捕された。警察が明らかにした。同国では、子どもの家庭内労働者に対する暴力行為が相次いでいる。

 逮捕された夫婦は、首都イスラマバード近郊の中流家庭が多く住むラワルピンディ(Rawalpindi)の自宅で、ビビちゃんを雇用。ビビちゃんと歳の近い息子の世話をさせるためだったとされる。

 捜査員は4日、AFPに対し「容疑者夫婦は、ペットとして飼っている大型のインコ4羽のうち1羽を少女が逃がしたと責め、拷問した」と明かした。

 雇用主の男がビビちゃんの「下腹部を蹴り、これが致命傷になった」という。

 ビビちゃんは1日に死亡。遺体は勤務地から500キロ以上離れた両親の元へ送られた。

 国際労働機関(ILO)によると、パキスタンでは約850万人が家庭内労働者として働いており、その中には多くの子どもも含まれる。

 15歳未満の子どもの雇用は、表向きは違法だが、依然横行している。

 家庭内労働者に対する搾取や暴力、性的暴行は後を絶たず、家父長制や厳格な社会階級制度が根強いパキスタンでは、被害者は泣き寝入りするばかりとなっている。

 特に子どもは被害に遭いやすく、ビビちゃんのような未成年者が犠牲になる事件が増えている。(c)AFP