【6月4日 AFP】ロシアは2日夜から翌3日にかけ、シリア反体制派最後の主要拠点となっている同国北西部で、3月の停戦開始以来3か月ぶりとなる空爆を実施した。在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が3日、発表した。

 同監視団によると、空爆が行われたのはイドリブ(Idlib)、ハマ(Hama)、ラタキア(Latakia)の3県の県境周辺。この地域は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の元傘下組織が率いる反体制派連合「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」や、HTSと同盟関係にある強硬派組織が大きな支配力を持っている。

 イドリブ県とその周辺を含むイドリブ地域は、HTSとその関連組織を含む反体制派が掌握し、約300万人が暮らしている。昨年12月から今年3月にかけては、ロシアの支援を受けるシリア政府軍の攻勢により少なくとも民間人500人が死亡、100万人近くが避難を余儀なくされた。

 新型コロナウイルス流行の最中で発効した停戦により、政府軍とロシア軍による激しい空爆は休止していた。監視団によると、今回の空爆によりイドリブ県では新たに住民が避難する事態が発生している。(c)AFP