【6月4日 AFP】米国で黒人男性の死亡事件に対する抗議デモが拡大する中、マーク・エスパー(Mark Esper)米国防長官は3日、反乱法(Insurrection Act)を発動して軍隊を派遣しデモを鎮圧することに反対すると表明した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は1日、デモの鎮圧に軍隊を派遣する可能性に言及していた。

【関連記事】仏の黒人男性死亡事件でデモ 米に触発 警官と衝突も

 これまでほとんど発動されたことのない反乱法について、エスパー氏は同法の「発動を支持しない」と明言した。

 エスパー氏は記者団に対し、「このような状況下で行政当局に対する支援を行うには、州兵が最も適しているとこれまで常に考えてきたし、今後も変わらない」と表明。「現役部隊の動員という選択肢は、最終手段としてのみ使われるべきで、最も緊急かつ差し迫った状況に限られるべきだ」とし、「われわれは現在、そのような状況にない」と指摘した。

 北部ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で先月25日、非武装の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察に拘束され死亡した事件を受け、各地で暴力的な抗議デモが発生。全米を揺るがしているこうしたデモに対しトランプ氏は1日、「民生・軍隊など連邦政府の資源で利用できるものをすべて動員する」と警告していた。(c)AFP