【6月3日 AFP】中部アフリカの赤道ギニア政府は、同国の新型コロナウイルス発生状況に関する集計を世界保健機関(WHO)赤道ギニア事務所長が「改ざん」したと非難し、出国を求めた。

 AFPが2日に確認した5月26日付の文書によると、赤道ギニア外務省はWHOアフリカ地域事務所に対し、WHO赤道ギニア事務所長を務めるトリフォニー・ヌクルンジザ(Triphonie Nkurunziza)博士の「職務を終了」させ、直ちに出国させるよう求めた。

 赤道ギニアのフランシスコ・パスクアル・オバマ・アスエ(Francisco Pascual Obama Asue)首相は5月31日、ヌクルンジザ氏が新型ウイルス感染者に関するデータを改ざんしたと非難した。また国営テレビで「WHOとの間に問題はないが、マラボにいるWHO赤道ギニア事務所長との間に問題を抱えている」と述べた。

 首都マラボにある国連(UN)赤道ギニア事務所の関係者は匿名で取材に応じ、赤道ギニア政府からそうした要請があったことを認めたが、詳細は明らかにしなかった。

 この情報筋は、「赤道ギニア政府はヌクルンジザ氏に出国を要請しており、われわれは文書を受け取った。ヌクルンジザ氏は、新型コロナウイルス関連の集計を『改ざん』したと非難されている」と述べた。出国できる便がないため、ヌクルンジザ氏はこの時点でもマラボに滞在していた。

 人口130万人の赤道ギニアの当局によると、6月1日の時点で同国の新型ウイルスの感染者は1306人で、うち12人が死亡している。

 赤道ギニアの公式集計は毎日更新されていたが、4月28日に更新が途絶え、今ではたまにしか公表されていない。WHOが発表している集計値は各国の集計値よりも多少多くなることがあるが、赤道ギニアの数値は現在のところ一致している。(c)AFP