【6月3日 AFP】米交流サイト(SNS)大手ツイッター(Twitter)とドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の衝突をめぐり、ライバル企業のフェイスブック(Facebook)も混乱に陥っている。同社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)がトランプ氏の虚偽または扇動的な投稿を規制しない意向を示したことを受け、従業員の間に反発が広がっているためだ。

 複数のツイートによると、従業員の一部は今月1日に抗議の「バーチャル・ストライキ」を行うよう呼びかけた。同社のほぼ全ての従業員は新型コロナウイルス対策としてテレワークをしている。

 行動を起こした従業員の一人、サラ・チャン(Sara Zhang)さんは、「同志として、われわれは脅威の後ろ盾になるのではなく、脅威の前に立ちふさがらなければならない。黒人コミュニティーへの連帯を示すため、私は今日、FB(フェイスブック)内外のバーチャル・ストライキに参加する」とツイートした。

 フェイスブックはAFPの取材に対し、「われわれは、当社の従業員の多く、特に黒人従業員らが感じている痛みを認識している」とコメントした。「従業員には、当社の指導部に異論があるときはオープンに発言するよう奨励している」

 同社は従業員の一部がバーチャル・ストライキを計画していたことを認識しており、その分を給与から差し引くことは考えていないという。

 同社のニュースフィード機能のデザイン責任者、ライアン・フレイタス(Ryan Freitas)さんは5月31日、「マーク(ザッカーバーグ氏)は間違っている。私は可能な限り目立つやり方で、彼の考えを変えるために努力する」とツイートした。

 同社の混乱は、ツイッターが先週、郵便投票に関するトランプ氏の2件の投稿に「事実確認」を促す警告ラベルを付けるという前例のない介入をしたことに端を発する。

 これを受けてザッカーバーグ氏は米FOXニュース(Fox News)のインタビューで、ソーシャルメディアの運営者は「人々がオンライン上で話すあらゆることの真偽の裁定者であるべきではない」と発言。トランプ氏はこのインタビューをリツイート(共有)した。

 この後も、トランプ氏が、武器を持たない黒人男性が警察に拘束され死亡した事件に激しい怒りを示す抗議デモ参加者らに警告する形で、「略奪が始まれば、銃撃が始まる」とツイートしたため、ツイッターは5月29日、このツイートにも警告文を付けた。

 同じ内容は同氏のフェイスブックアカウントにも投稿されているが、ザッカーバーグ氏はそのままにすることにした。