【6月2日 CNS】中国疾病予防制御センターが、世界禁煙デーの5月31日に合わせ、「2019年中学生喫煙調査」の結果を発表した。調査は全国31の省(自治区、直轄市)の347の県(市、区)の28万8192人を網羅したもので、中学生の喫煙率の大幅な減少の一方、電子たばこは大きく増加、また職業学校生の喫煙抑制は楽観できないという状況が明らかになった。

 19年の数値は、喫煙経験がある中学生は12.9%、現在喫煙している者3.9%、これは14年と比較してそれぞれ5ポイントと2ポイント減少している。ただし、注目すべきは電子たばこで、中学生で電子たばこを知っている割合が69.9%、現在電子たばこを吸っている割合が2.7%、それぞれ5年前に比べ24.9ポイントと1.5ポイントと、増加が顕著だ。

 今年の中学生喫煙調査には、初めて高校生の喫煙状況が加わった。その結果、高校生の喫煙率が中学生よりはるかに大きく、職業学校の状況はさらに楽観できないことが分かった。

 喫煙経験がある高校生は24.5%、現在喫煙しているのは8.6%、電子たばこを吸っている割合は3.0%で、どの数値も中学生よりも高い。さらに高校生の中でも職業学校生の比率は、それぞれ30.3%、14.7%、4.5%と、普通科の高校生よりも高い数値だった。

 今回の調査で、中学生の受動喫煙に多少の改善が見られることも明らかになった。しかし、まだ厳しい状況に置かれており、教師が校内で喫煙しているという事実も分かった。

 中学生が過去7日間に自宅、公共の場所の屋内外、公共交通機関で喫煙者を見かけた割合は、14年に比べ大きく減少しているものの、依然として63.2%もあった。

 過去30日間に校内で喫煙者を見かけた割合と、校内で教師がほぼ毎日喫煙している割合はそれぞれ45.2%と8.5%で、14年に比べて多少改善している。

 学校の禁煙健康教育には一定の進展が認められたが、しかし中学生の喫煙中毒に関する認識度にはさらなるレベルアップが早急に必要だ。中学生が過去12か月間でたばこの健康被害を授業で学んだ割合は58.6%、14年よりは増加している。また普通科高校と職業学校ではそれぞれ51.3%と60%であった。

 調査では、中学生の喫煙に影響を与える要素が幅広く存在することも分かった。一つは、未成年へのたばこ販売を禁ずる法律がまだ有効に機能していないこと、二つ目は、たばこの値段がますます安くなっていること、三つ目は、たばこの広告、販促活動、イベント協賛などが広範に存在すること、四つ目はテレビや映画で喫煙のシーンが抑えられていないことである。(c)CNS/JCM/AFPBB News