【6月8日 CNS】中国・北京市(Beijing)でこのほど、「タバコを吸わないことは、健康でおしゃれ」をテーマにした「世界禁煙デー」のイベントが行われた。中国の青少年の喫煙率は6.9%に達しており、喫煙経験者は19.9%に上る。禁煙の専門家らはイベントで、禁煙は子どもの頃から呼びかけるべきだと主張した。

 国家衛生・計画生育委員会(NHFPC)宣伝司の李濃(Li Nong)副司長は、「中国の成人の喫煙率は依然として高く、『健康中国2030計画』で掲げている、『2030年までに15歳以上の喫煙率を20%以下に下げる』という目標からはかけ離れている」と話した。

 また李副司長は、「調査によると1億8000万人の児童が受動喫煙の被害に遭っている」と話した。

 中国健康教育センターの呉敬(Wu Jing)副主任は、「中国の喫煙者の中で毎日吸う習慣がある人の半数以上は、10代のうちに喫煙を始めている。青少年喫煙者の多くは、成人してからも吸い続け、禁煙は難しい。喫煙を開始した年齢が低ければ低いほど、成人後の喫煙量は多くなる。健康への被害も大きくなる」と話している。

 呉副主任は、「受動喫煙の被害を避ける唯一の方法は、室内を完全に禁煙にするしかない。また、衣服や家具、皮膚などに付着したタバコの残留物による三次喫煙の被害も問題視されている。家族が禁煙することでしか、三次喫煙の被害は抑えられない」と強調した。

 中国タバコ規制協会(Chinese Association on Tobacco Control)の廖文科(Liao Wenke)副会長は、「青少年のタバコ規制のため、各分野で積極的な取り組みを強化しなければならない。教育や衛生部門、メディアなどがそれぞれの角度から青少年のタバコ規制を促進する必要がある」と話した。

 世界保健機関(WHO)駐華代表処の孫佳妮(Sun Jiani)氏は、「中国の喫煙者は、世界の喫煙者の3分の1を占めている。世界のタバコ撲滅の望みは中国に委ねられており、中国のタバコ撲滅は青少年に委ねられている」と強調した。(c)CNS/JCM/AFPBB News