【6月1日 AFP】(写真追加)中東エルサレム(Jerusalem)の旧市街(Old City)で5月30日、イスラエルの警官が、体に障害のあるパレスチナ人男性が拳銃を所持していると誤認して発砲し、男性が死亡した。パレスチナ住民から激しい非難の声が上がっている。

 現場は旧市街の入り口にある獅子門(Lions Gate)に近く、主にパレスチナ人たちの通り道として使用されている路地。イスラエル警察によると、巡回中の警官らが拳銃に似た不審物を持った男性を発見し、止まるよう命じて徒歩で追跡。その際、複数の警官が男性に向けて発砲し、男性は死亡した。現場付近を捜索したが、武器は見つからなかったという。

 パレスチナ解放機構(PLO)の公式通信社、パレスチナ通信(WAFA)は、この男性を東エルサレム(East Jerusalem)のワディ・ジョーズ(Wadi Joz)地区に住み、体に障害があるイヤド・ハイリ・ハラク(Iyad Khairi Hallak)さんだと伝えた。

 AFP記者によると、事件を受けて同日、エルサレムの警察署付近でイスラエル人約200人がハイリさんの殺害に抗議するデモを行った。

 デモ参加者らは、ヘブライ語や英語で「警察の暴力が殺した」「イヤドに正義を」「パレスチナ人の命は大切」などと書かれたパネルを掲げた。新型コロナウイルスの感染予防のため、多くのデモ参加者はマスクを着用していた。(c)AFP