【11月18日 AFP】「真実の目をふさぐことはできない」──パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)各地で17日、眼帯を着けたパレスチナ人ジャーナリストらが抗議デモを行った。パレスチナ人のデモ隊とイスラエル国境警察の衝突を取材していた記者が先週末、飛来したゴム弾のようなものに当たって失明した一件を非難するもので、眼帯は負傷した記者への連帯のしるしだ。

 エルサレム(Jerusalem)の病院で治療を受けているムアス・アマルネ(Muath Amarneh)記者は15日、ヘブロン(Hebron)近郊の村でデモと警官隊の衝突中に負傷した。

 17日に病院でAFPの取材に応じたアマルネ記者の話によると、負傷した当時は防弾チョッキと記者章、ヘルメットを身に着けていた。デモ隊と警察の衝突が始まったため、デモ隊から少し距離を取って立っていたという。ところが「突然、目に何かが当たったのを感じた。ゴム弾か石のような物だと思った。手を当てたら、目がなくなっていた」という。

「何も見えなかった。私の目は完全になくなっていた」

 医師からは、長さ約2センチの金属片が目に突き刺さり、脳の近くにまで達していたと言われたという。

 ベツレヘム(Bethlehem)に近いデヘイシャ(Dheisheh)難民キャンプ出身のアマルネ記者は、目に当たったのはイスラエルの警察が発砲した物体だと考えており、ジャーナリストとして標的にされたと主張している。

 一方、イスラエルの警察当局は、記者を狙ったとの疑惑を否定している。

 パレスチナ・ジャーナリスト組合(Palestinian Journalists Syndicate)によると、今年に入って既に60人のジャーナリストが実弾で撃たれており、その大半はガザ地区(Gaza Strip)で起きている。(c)AFP/Hiba Aslan and Hossam Ezzedine