【5月30日 AFP】アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)をめぐる懸念がある中で、先進7か国(G7)首脳会議(サミット)を対面方式で開催する可能性を示唆していることに対し、出席を辞退する意向を示した。米政治専門メディア「ポリティコ(Politico)」が首相の報道官による29日の発言として伝えた。

 今年は米国が主催するG7サミットは当初、大統領専用別荘キャンプデービッド(Camp David)で対面方式で行われる予定だったが、その後、新型コロナウイルスの流行により、6月下旬にテレビ会議での開催へと変更された。しかしトランプ氏は20日、「主にホワイトハウス(White House)で」行い、さらにキャンプデービッドでも対面式で開催する可能性を示唆した。

 だが物理学者の肩書きも持つメルケル首相は、出席を辞退。シュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)政府報道官はポリティコに対し、「現時点での全体的な感染の状況を見ると、メルケル首相はワシントンに赴いて自身が(G7に)参加することには同意できないはずだ」と説明。

 ただG7への招待については、メルケル氏はトランプ氏に謝意を示しているとポリティコに語っている。

 G7各国の首脳では、73歳のトランプ氏が最高齢で、その後に65歳のメルケル氏、同じく65歳で数か月ほど若い日本の安倍晋三(Shinzo Abe)首相が続く。いずれの年齢も新型ウイルスの感染リスクが高い。(c)AFP