【5月31日 Xinhua News】中国山西省の吉県屯里鎮窯渠村はかつて、全国でも知られた貧困村だった。人口は千人余り。2013年の1人当たりの年収はわずか2千元(1元=約15円)だった。村の幹部、劉創立(Liu Chuangli)氏は「わが村は山間にあり、交通が不便で、開発可能な石炭資源もなく、貧困脱出や増収に確かな手だてがなかった」と振り返り、「14年末に政府が貧困対策で100キロワットの太陽光発電所をつくったことが、豊かになる希望を生んだ」と語った。

「今では天気が一番の関心事だ。晴れさえすれば村の収入になる」と劉氏。窯渠村の日照時間は年平均で約2千時間に上る。系統連系を果たした15年1月7日からの発電量は60万キロワット時以上、収益は50万元を超え、村の貧困対策にエネルギーを注ぎ込んだ。

 村では太陽光発電収益の20%を労働能力のない極度貧困者の支援に、40%を病気や障害、就学、災害、傷害などで貧困に陥った農家の救助に、40%を村の集団収入として公益事業や産業プロジェクトによる貧困対策に投入。太陽光発電所の収益を通じ、村はすでに貧困からの脱出を成功させた。

 窯渠村の変化は、山西省がここ数年進めている太陽光発電による貧困対策の一例にすぎない。省貧困支援弁公室の張建成(Zhang Jiancheng)副主任によると、同省で行われた太陽光発電による貧困対策の収益は19年末までに計16億7800万元に達し、村に13億7100万元を支給、6077の貧困村、36万8500の貧困世帯に利益を与えた。太陽光発電だけで貧困村の年間10万元以上の増収、多い場所では40万元余りの増収が可能になった。(c)Xinhua News/AFPBB News