■「ノーマ」のバーガー

 英国を拠点とする「世界のレストラン・ベスト50(World's 50 Best Restaurants)」も、当初6月にベルギー・アントワープ(Antwerp)で開催する予定だった2020年のランキング発表を早々に中止した。

 同ガイドのブランド・ディレクター、ヘレネ・ピエトリン(Helene Pietrin)氏はAFPに対し、選考は終わっていたがこのタイミングで発表するのは「不適切だった」と説明した。「最高のレストランを祝福するのにふさわしい時もあれば、そうしたレストランの生き残りを真剣に考えなければならない時もある」と語った。

 世界最高とされるレストラン1000店を対象に最も科学的な格付けを行っていると自負するレストランガイド「ラ・リスト(La Liste)」の共同創始者ヨルグ・ジップリック(Jorg Zipprick)氏は、既に著名なシェフたちも自分の仕事を見直す必要に迫られると指摘する。「自分のやり方を見直すことを受け入れたシェフたちが、勝者となるだろう」

 先見の明があるシェフとして知られるレネ・レゼピ(Rene Redzepi)氏は5月21日、デンマーク・コペンハーゲンにあるレストラン「ノーマ(Noma)」を、オープンエアでワインとハンバーガーを提供する「バーガーバー」として再開した。ビーフバーガーに加え、ベジタリアン向けのバーガーも用意している。

 ノーマは、デンマークでロックダウンが開始された3月までは世界で最も予約の取れないレストランとして知られていたが、今では予約は不要だ。

 レゼピ氏はインスタグラム(Instagram)の投稿で、「私たちは癒やしを必要としている。グラス1杯のワインとバーガーを楽しもう。みんな大歓迎だ」と呼び掛けた。(c)AFP/Olga NEDBAEVA