【5月16日 AFP】米バージニア州にある、レストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で星を獲得しているレストランが、今月末に店を再開する際に来店客にソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を守ってもらうため、面白い──感じ方によっては気味が悪い──方法を実行に移した。着飾ったマネキンを来店客の間に座らせる、というものだ。

「ジ・イン・アット・リトルワシントン(The Inn At Little Washington)」のオーナーシェフ、パトリック・オコネル(Patrick O'Connell)さんは、AFPのメール取材で、「ソーシャル・ディスタンシングを守り、レストランの収容人数を半分に減らすという問題を解決する必要がある場合、その解決策は明白だと思えた──面白く着飾ったダミー人形で席を埋めるのだ」と説明した。

「うやうやしい不敬さで知られている」と自ら説明するジ・インは、米首都圏でミシュランの三つ星を獲得している唯一のレストランでもある。新型コロナウイルス流行で営業を停止しているが、今月29日に店を再開させる予定だ。 

 マネキンは店の雰囲気と合わせる必要がある。芝居じみた実物大のマネキンは、真珠のネックレスやチェック柄のドレス、ストライプ柄のスーツを身に着け、戦後の1940年代の雰囲気を醸し出している。

 広々とした店内はクリスタルのシャンデリアを設置した鶏小屋風の雰囲気が特徴で、ワインを除く料理メニューは客1人当たり248ドル(約2万6500円)にもなることがある。

 ジ・インは、地元企業とコラボして、マネキンに着せる服の準備やメーキャップ、設置作業を行った。

 オコネルさんは、「今私たちは皆、集まって他の人たちと会うことを切望している。その人々が実際の人間である必要はない」といたずらっぽく指摘した。(c)AFP