【5月28日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)による経済的影響で、貧困に苦しむ世界の子どもは年末までに8600万人増え、前年比15%増の6億7200万人になる恐れがあるという研究結果を、子どもの権利保護団体セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)と国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が27日、発表した。

 両団体の発表によると、貧困に苦しむ子どもの3分の2近くがサハラ砂漠以南のアフリカ地域と南アジアに住んでいるが、コロナ流行で新たに貧困に陥る子どもは主に欧州や中央アジアで発生するとみられている。

 今回の研究は世界銀行(World Bank)と国際通貨基金(IMF)による予測と世界約100か国の人口データに基づいて行った。

 ユニセフのヘンリエッタ・フォア(Henrietta Fore)事務局長は、大規模で深刻な家計の困難によって長年続けてきた子どもの貧困対策が押し戻され、子どもたちが必要不可欠なサービスを受けられなくなる恐れがあると指摘。

 一方でセーブ・ザ・チルドレンのインゲル・アッシン(Inger Ashing)事務局長は、迅速で決定的な行動を取ることによって「最貧国や、最も脆弱(ぜいじゃく)な子どもたちの一部が直面するパンデミックの脅威を防ぎ、阻止することができる」と主張した。

 両団体は各国政府に対し、パンデミックの影響を最小限に抑えるため、社会保障制度と学校での給食制度を速やかに拡大させるよう呼び掛けている。(c)AFP