【5月28日 AFP】新型コロナウイルスの影響で9月に延期となった全仏オープンテニス(French Open 2020)の主催者は27日、たとえソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)のルールを守らなくてはならないとしても、観客を入れて大会を開催するとの姿勢を示した。

 例年通りであれば今ごろ大会1週目を迎えていたはずの今年の全仏は、新型コロナウイルスの流行により開幕が4か月延期。当初の日程で売り出された観戦チケットは持ち越しではなく払い戻しが決まり、9月20日に開幕予定の今大会は無観客で行われるのではないかとの臆測が広まっていた。

 しかし、フランステニス連盟(FFT)のジャンフランソワ・ヴィロット(Jean-Francois Vilotte)事務局長は、「秋には最適の観客定員でローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)を開催し、ファンがソーシャル・ディスタンシングを守れるようにする」とAFPに語った。大会開催に向け、すでにスポーツ省、外務省、大会関係者、保健機関で構成される作業部会が発足している。

「観客を入れることを目標にしているが、無観客を含めいかなるオプションが採択されようとも、われわれにはローラン・ギャロスを運営するだけの力がある」

 選手にとっては「賞金が極めて重要」だが、全仏オープンが収入の8割を占めるフランステニス界のエコシステムも同様に大切だ。延期となった大会でファンの入場が可能となった場合、チケットは再販売されるという。

「(再販売の)最終期限は決まっているが、どうなるかは誰にも分からない」と話したヴィロット事務局長は、「いずれにせよこれまでに例のないトーナメントになる」と続け、運営側としては「格下げした」大会ではなく、あくまでも「延期」という形ににこだわって開催に向けて動いていると付け加えた。(c)AFP/Igor GEDILAGHINE