【5月26日 AFP】女子テニスの世界ランク12位で、通算2度のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)制覇を誇るペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)は25日、今季の四大大会(グランドスラム)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)を理由に無観客で開催するのであれば、中止すべきとの考えを示した。

 30歳のクビトバはチェコの選手だけが出場する母国大会を翌日に控えた会見で、前週に無観客で全仏オープンテニス(French Open 2020)や全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を開催する方針に異議を唱えた男子のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に同調し、「自分の年齢を踏まえて、もう一度グランドスラムでプレーしたいのは当然だけれど、こんな形(無観客)なら中止の方がいい」と語った。

「グランドスラムでプレーするのは最高に素晴らしいこと。自分たちの原動力であるファンがいない中でプレーするのは、自分としてはあまり良いとは思えないし、そんなのはグランドスラムにふさわしくない」

 新型コロナウイルスの影響で今季は全仏オープンが9月に延期され、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)は中止が決定。さらに女子ツアーが再開されるのは、早くても7月20日の見通しとなっている。

 今週チェコ・プラハで開催される大会には、男女が別々のドローに分かれて8人ずつ出場するものの、観客は入れずに握手も行われないことになっている。試合にはアンパイアのほかにボールパーソンも立ち会うが、コート上でのタオルの受け渡しはされないことになっている。

 26日の1回戦でダブルスのスペシャリストであるバルボラ・クレイチコバ(Barbora Krejcikova、チェコ)と対戦するクビトバは、「握手せずにラケットを付き合わせるだけなんて道徳的じゃないし、自分としてはそれが最も不愉快に感じる」とした上で、「私たちがここにいるのは、チェコ共和国だけでなく世界に再びテニスを披露するため」と主張した。

 クビトバはまた、「最も難しいと想定されるのはリズムをつかむこと。私たちはもう長いこと実戦から遠ざかっているから」「誰もファンタスティックなテニスなんて期待しないでほしい。なぜなら、それは可能かもしれないし、そうでないかもしれないから」とコメント。

 一方では、会見で着用していたマスクについて、「メークする必要がない」と良い面もあると話した。

 チェコでは3月中旬からスポーツ活動が停止しており、これまでに同国では新型コロナウイルスの感染が確認されたのは約9000人で、そのうち死者は約300人となっている。(c)AFP/Jan FLEMR