【5月27日 CNS】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のタリム盆地北西端に位置するアクス地区(Akesu)ウシュトゥルファン県(Uchturpan )は、果物のサジーが広く栽培され、「中国のサジーの里」と呼ばれている。県面積の約4分の1を占めるゴビ砂漠を活用し、「黄金の粒」を生み出している。

 サジーはビタミンCの含有量がナツメやキウイよりも高く、健康に良い「ビタミンCの王様」と呼ばれている。寒さや乾燥、塩害に強いため、ウシ県はゴビ砂漠(Gobi Desert)での大規模栽培に力を入れている。

 ウシュトゥルファン県・イェンギアワト郷にあるサジー栽培組合管理スタッフのバツアー・クルバンさんは、春に植えたサジーの低木の水やりに励んでいる。「経済的に貧しい世帯の15人で組合を作り、今は月に1000元(約1万5000円)以上を稼いでいます」と語る。

 イェンギアワト郷では昨年から、ゴビ砂漠で半径数十キロの範囲にサジーの木を栽培。順調に育ち、緑色の葉が生き生きとしている。ウシ県でサジーの栽培面積は約66平方キロに達し、果実の年間生産量は80トンを超える。サジーはジュース、油、お茶などに加工され、広く愛用されている。

 ウシュトゥルファン県林業草原局の王国良(Wang Guoliang)副局長は「サジーは成長が早くて収穫作業も簡単で、収穫量も多い。農家の収入を増やし、環境保全の役割も果たしている」と説明する。

 サジーの木は密集して栽培でき、砂漠でも根をしっかりと広げる。防風、防砂、保水効果があり、自然環境が厳しい中国北西部で栽培する地域が増えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News