【5月23日 AFP】(更新)パキスタン南部シンド(Sindh)州の保健当局は23日、パキスタン航空(Pakistan International Airlines)のA320型旅客機が22日に同州カラチ(Karachi)で墜落した事故の死者は97人、生存者は2人だと発表した。

 事故機は何度か着陸を試みた後、住宅地に墜落し建物が破壊された。住民らが生存者を捜索する中、事故機の非常口のドアからぶら下がった男性が叫び声を上げていたという複数の目撃者の証言もある。捜索活動は夜になっても続いた。

 シンド州の保健省によると、死亡者全員の遺体は収容され、これまでに19人の身元が確認された。

 グラム・サルワル・カーン(Ghulam Sarwar Khan)航空相は、事故機の機長は優れた実績のあるベテランパイロットだったと述べた。

 A320型機を製造した欧州航空機大手エアバス(Airbus)によると、事故機は2004年に就航し、その10年後にパキスタン航空が取得。飛行時間は約4万7100時間だった。

 パキスタンでは先に新型コロナウイルス対策で封鎖措置が取られ、数日前に商業機の運航再開が認められたばかり。同国内ではイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の終わりとラマダン明けの祝祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」の始まりを控え、帰省のため移動する人が多い時期だった。

 パキスタンは軍民共に航空機事故が多い。これまでにパキスタン国内で起きた航空機の墜落で最も死者が多かったのは、2010年7月に航空会社「エアブルー(Airblue)」のカラチ発イスラマバード行きのA321型機が着陸に失敗してイスラマバード郊外の丘陵地帯に墜落し、乗客乗員152人全員が死亡した事故となっている。(c)AFP