【5月22日 AFP】グアテマラ政府は21日、新型コロナウイルスに感染した移民の強制送還をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を非難した。

 グアテマラのアレハンドロ・ジャマテイ(Alejandro Giammattei)大統領は、移民の強制送還によって同国の検疫センターは飽和状態になっており、脆弱(ぜいじゃく)な保健システムを圧迫していると述べた。

 ジャマテイ氏は米首都ワシントンに拠点を置く国際問題シンクタンク、大西洋評議会(Atlantic Council)に対し、「グアテマラは米国の同盟国だが、米国はグアテマラの同盟国ではない」と述べた。

「米国が強制送還を望んでいるのは理解するが、感染者が乗った航空機を飛ばすことは理解できない」とジャマテイ氏は話した。

 グアテマラ当局によると、同国で確認された新型コロナウイルスの症例2000例のうち、100例は米国から強制送還された移民だという。

「強制送還者を送ることは問題ではない。彼らは確かにわが国の問題だ。しかし米国の問題でもある。だからわれわれは問題を共有すべきであり、公平でなければならない」とジャマテイ氏は述べた。

 ジャマテイ氏はまた、米国がグアテマラに医薬品を提供していないことも指摘。「米国は、人工呼吸器(の提供)も含め他国を支援している。私たちはトウモロコシ1本すら受け取っていない」と訴えた。(c)AFP